ミラドライは保険適用される?保険で受けられるワキガ・多汗症治療との違い

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ミラドライは保険適用される?保険で受けられるワキガ・多汗症治療との違い

#ワキガ・多汗症

「ミラドライは保険でできますか?」というご質問は、カウンセリングでもよくいただきます。先に結論をお伝えすると、ミラドライは保険適用外の自由診療で、費用は全額自己負担です。 症状が重い場合でも、多汗症やワキガと診断された場合でも、この点は変わりません。

一方で、ワキ汗やワキガの治療には保険が使えるものもあります。この記事では、ミラドライに保険が使えない理由、保険で受けられる治療の種類と条件、そしてミラドライとの違いを整理します。

ミラドライは保険適用外の自由診療です

ミラドライは、マイクロ波で汗腺を加熱して汗の量を減らす治療機器です。2018年6月に、厚生労働省から「重度の原発性腋窩多汗症(わきの多汗症)」の治療機器として承認を受けています。

それでも保険は使えません。理由は、「承認」と「保険適用」が別の仕組みだからです。

承認と保険適用の仕組みの違い

「承認されている」と「保険が使える」は別の話

医療機器や薬が保険で使えるようになるには、2つの段階があります。

  1. 承認:有効性と安全性が国に認められ、医療機器として販売・使用できるようになる
  2. 保険収載:その治療が公的医療保険の対象として、診療報酬(国が決める治療の価格表)に載る

ミラドライは1の承認は受けていますが、2の保険収載はされていません。そのため、どの医療機関で受けても自由診療になり、料金は医療機関ごとに設定されています。

日本皮膚科学会の「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」でも、マイクロ波による治療は「保険適用外で費用も高額なため、既存の治療で効果が不十分な場合に考慮してよい治療」と位置づけられています(推奨度C1)。

ワキガ(腋臭症)への使用は国内では承認の範囲外

もう一点、知っておいていただきたいことがあります。国内でミラドライが承認されているのは「重度の原発性腋窩多汗症」に対してです。ワキガ(腋臭症)のにおいの軽減や減毛を目的とした使用は、米国FDAでは認められていますが、国内では承認された使用目的に含まれていません。ワキガの治療としてミラドライを受ける場合は、この点も含めて医師から説明を受けたうえでご検討ください。

保険で受けられるワキ汗・ワキガの治療

保険が使える治療は、「汗の量を抑える治療」と「ワキガの手術」に分かれます。

保険が使える・使えない治療一覧

塗り薬(外用抗コリン薬)

わきの多汗症(原発性腋窩多汗症)に対して、現在は保険で処方できる塗り薬があります。

・エクロックゲル5%(2020年発売):1日1回、わきに塗るゲル

・ラピフォートワイプ2.5%(2022年発売):1日1回、わきを拭くシートタイプ

どちらも汗を出す指令をブロックする薬で、ガイドラインではわきの多汗症の治療の最初の選択肢とされています。使っている間は効果が続き、やめると元に戻ります。主な副作用は、塗った部位のかぶれ、口の渇きなどです。薬が目に入るとまぶしさや見えにくさが出ることがあるため、塗ったあとは手を洗ってください。

ボトックス注射(重度の場合のみ保険適用)

A型ボツリヌス毒素製剤(ボトックス)をわきに注射する治療です。2012年11月から、重度の原発性腋窩多汗症に限って保険が使えるようになりました。効果は注射の2〜3日後から現れ、4〜9か月ほど続きます。続けるには年に1〜2回以上の注射が必要です。

当院でも、重度の原発性腋窩多汗症に対するボトックス注射を保険診療で行っています。詳しくは「重度の腋窩多汗症のボトックス注射」のページをご覧ください。

飲み薬(内服抗コリン薬)

プロバンサイン(プロパンテリン臭化物)は、多汗症に保険が使える飲み薬です。全身の汗を抑える一方で、口の渇き、便秘、目のかすみなどが出やすく、緑内障や前立腺肥大のある方は使えません。

ワキガの手術(腋臭症手術)

医師がワキガ(腋臭症)と診断し、治療が必要と判断した場合は、手術に保険が使えます。代表的なのは、わきの皮膚を数センチ切開し、においの原因となるアポクリン汗腺を目で見ながら取り除く「皮弁法(剪除法)」です。

汗腺を直接取り除くため効果は高い一方、傷あとが残ること、術後1週間前後はわきを固定して安静にする必要があること、血がたまる(血腫)・皮膚の治りが悪くなるといった合併症のリスクがあることを理解しておく必要があります。

保険で受けられる治療の比較

治療 対象 3割負担の目安 効果が続く期間 主な注意点
塗り薬 わきの多汗症 月1,500〜2,500円前後(薬剤費) 使っている間 かぶれ、口の渇き
ボトックス注射 重度のわきの多汗症 両わき1回2〜3万円前後 4〜9か月 注射時の痛み、内出血
飲み薬 多汗症 月数百円程度(薬剤費) 飲んでいる間 口の渇き、便秘、目のかすみ
ワキガの手術(皮弁法) 腋臭症 両わき4〜5万円前後 長期 傷あと、術後の固定、血腫

 

※診察料・検査料・処方料などが別にかかります。金額は診療報酬や薬価の改定で変わります。

なお、市販の制汗剤にも使われる塩化アルミニウムの外用は、医療機関で処方される場合も保険適用外です。

保険が適用される条件

保険が使えるかどうかは、医師の診察で決まります。目安になる基準は次のとおりです。

わきの多汗症の診断基準

はっきりした原因がないのに、わきの汗が多い状態が6か月以上続き、次の6項目のうち2項目以上にあてはまる場合に「原発性局所多汗症」と診断されます。

・最初に症状が出たのが25歳以下である

・左右対称に汗が出る

・寝ている間は汗が止まっている

・週に1回以上、汗が多くて困ることがある

・家族にも同じ症状の人がいる

・汗のせいで日常生活に支障がある

重症度の目安(HDSS)

重症度は、次の4段階で自己評価します。3と4が「重度」にあたり、保険でボトックス注射を受けられる目安になります。

スコア 状態
1 汗はまったく気にならず、日常生活に支障がない
2 汗は我慢できるが、日常生活にときどき支障がある
3 汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
4 汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある

 

ワキガ(腋臭症)の場合

ワキガの手術は、医師が診察でにおいの程度を確認し、腋臭症と診断した場合に保険の対象になります。「においが気になる気がする」という段階で、診察上はにおいが確認できない場合は、保険の対象になりません。

ミラドライと保険治療の違い

ミラドライ 保険の塗り薬・注射 保険のワキガ手術
費用 全額自己負担 1〜3割負担 1〜3割負担
続ける必要 基本は1回(追加照射をする場合あり) 使い続ける・打ち続ける 基本は1回
皮膚を切るか 切らない 切らない 切る(傷あとが残る)
術後の制限 数日〜1週間ほど腫れや痛み ほぼなし 1週間前後の固定・安静
汗への作用 汗腺そのものを減らす 汗を出す指令を一時的に止める 汗腺を取り除く

 

ミラドライは、皮膚を切らずに汗腺そのものにはたらきかける点が、保険の塗り薬や注射との大きな違いです。熱で変性した汗腺は再生しないとされ、効果は長く続くことが期待できます。ただし、汗やにおいが完全になくなるわけではなく、効果の感じ方には個人差があります。

ミラドライの基本情報

・治療内容:局所麻酔をしたうえで、わきにマイクロ波を照射し、汗腺を熱で変性させる

・費用:両わき 82,500円(税込)。別途、麻酔代11,000円、チップ代 33,000円

・主なリスク・副作用:腫れ、痛み、内出血、しびれ、しこり、つっぱり感、わき毛の減少。まれに、やけど、腕や指のしびれ・力の入りにくさが長引くことがあります

・承認について:国内では重度の原発性腋窩多汗症の治療機器として承認されています

最新の料金と治療の流れは「大阪・心斎橋のミラドライ」のページをご確認ください。

保険治療とミラドライ、どちらを選ぶか

悩みに合わせた治療の選び方

まず保険の治療から検討したい方

・汗の量が主な悩みで、まだ治療を受けたことがない

・費用を抑えたい

・毎日薬を塗る、年に数回注射に通うことが負担にならない

ミラドライを検討したい方

・塗り薬やボトックス注射で十分な効果が得られなかった

・薬や注射をこの先も続けることを負担に感じる

・汗とにおいの両方が気になる

・手術の傷あとや術後の固定は避けたい

なお、同じ病気に対して保険診療と自由診療を同じ日に組み合わせること(混合診療)は、原則として認められていません。保険の治療からミラドライへ切り替える場合の進め方は、診察時にご相談ください。

ミラドライの費用負担を軽くする方法

医療費控除

医療費控除は、1年間(1月〜12月)に支払った医療費が10万円(所得が200万円未満の方は所得の5%)を超えたときに、確定申告で税金の一部が戻る制度です。自由診療でも、医師による治療として受けた費用は対象になり得ます。

多汗症やワキガの治療として受けたミラドライは、対象になる可能性があります。ただし、美容目的とみなされる費用は対象外で、最終的な判断は税務署が行います。領収書は必ず保管し、迷う場合は申告前に税務署へご確認ください。通院にかかった電車・バスなどの交通費も対象に含められます。

高額療養費制度は使えません

高額療養費制度は、保険診療の自己負担額が上限を超えたときに払い戻される制度です。自由診療であるミラドライは対象になりません。

交通費補助制度

当院では、遠方からミラドライを受けに来られる方に交通費補助制度をご用意しています。お支払い方法については、カウンセリング時にご案内します。

よくあるご質問

重度の多汗症と診断されたら、ミラドライも保険になりますか?

なりません。ミラドライは保険収載されていないため、診断名や重症度にかかわらず自由診療です。重度の原発性腋窩多汗症で保険が使えるのは、塗り薬、ボトックス注射、飲み薬です。

保険の治療を先に試さないと、ミラドライは受けられませんか?

必須ではありません。ただし、ガイドラインではミラドライなどの機器治療は「既存の治療で効果が不十分な場合に考慮する治療」とされています。当院では、これまでの治療歴や生活上のご希望を伺ったうえで、保険の治療も含めてご提案します。

民間の医療保険の手術給付金は受け取れますか?

ご契約の内容によります。多くの医療保険は、公的医療保険の対象となる手術を給付の条件としているため、自由診療のミラドライは対象外となることが一般的です。ご加入の保険会社にご確認ください。

「保険適用」と書かれたクリニックなら、ミラドライも保険で受けられますか?

受けられません。保険診療を行っているクリニックでも、保険が使えるのは塗り薬やボトックス注射、ワキガの手術などで、ミラドライ自体はどの医療機関でも自由診療です。

今後、ミラドライが保険適用になる予定はありますか?

2026年10月時点で、保険適用になる予定は公表されていません。

まとめ

・ミラドライは厚生労働省の承認を受けているが、保険収載されていないため自由診療

・保険が使えるのは、わきの多汗症の塗り薬・ボトックス注射(重度のみ)・飲み薬と、腋臭症と診断された場合のワキガ手術

・保険の治療は費用を抑えられるが、続ける必要がある、または傷あとが残る。ミラドライは切らずに汗腺そのものにはたらきかける

・治療として受けたミラドライは医療費控除の対象になる可能性がある

クリニーク大阪心斎橋では、保険のボトックス注射からミラドライまで、症状とご希望に合わせて治療をご提案しています。「自分は保険で治療できるのか」「ミラドライが向いているのか」を知りたい方は、無料カウンセリングでご相談ください。

参考文献

・日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」日皮会誌 133(2), 157-188, 2023

・株式会社ジェイメック「miraDryシステム 薬事承認取得に関するご案内」(承認番号 23000BZX00161000、2018年6月4日承認)

・厚生労働省「診療報酬の算定方法」医科点数表 K008 腋臭症手術

・国税庁 タックスアンサー No.1122「医療費控除の対象となる医療費」

2026.10.2

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